これまでにご紹介した切手は、値打ちがあるどころか、超プレミアムな逸品になるのですが、「値打ちのある切手とは何なのか?」という、その基本的な考え方をご紹介します。
値打ちのある切手。もっとも大切なことは「古い」ということです。一般的に高値が付く切手は、明治から昭和(戦後すぐぐらいまで)に発行されたものがほとんどです。シンプルに言えば、古い切手は現存している数自体が少なくなりますので、価値が上がります。外国の切手についても同様で、やはり古い切手は高値で取引されることが普通です。ただし、切手の価値を左右するのは「古い・新しい」という要素だけではありません。元々のレア度によっても価値は大きく変わります。
中国の切手は高値で取引されていますが、これは中国ならではの特殊な事情が生み出した現象と言ってもいいかもしれません。中国では、1970年代から1980年代にかけて、文化大革命という時期がありました。毛沢東による革命運動は、資本主義との断絶、社会主義思想への大改革であり、さまざまな資本主義文化が否定されました。
この間に発行された中国の切手は、ほとんど中国国外に持ち出されることがなく、中国国内では切手のコレクションも禁止されていました。このような特殊な状況から、秘密裏に持ち出された切手などに高値が付くようになりました。これらの切手は、投資対象としてブームになり、価値は急騰しましたが、現在はそのバブルも終わり、価値も下降傾向となっています。
元々のレア度が高い切手は、やはり値打ちがあります。発行枚数が極端に少ない。また、先にご紹介した「能面50円切手(第一版)」のように、ほぼ外部に出ることがなかったなど、元々希少な切手もあります。また、印刷がズレたり反転したりしているエラー切手もこの部類に含まれるでしょう。